CATERHAM Seven -27 [Modeling]
SNSではすでに公開していましたがボンネットの追加工作です。
静岡の時は曲げただけの形状でしたが、ケータハムBDRの特徴の一つであるボンネットルーバーは出来れば再現したかった部分です。 とはいえ、アルミ一体であるがゆえに工作は加工方法も含めてハードルも高く当初は半ばあきらめていたのですが、なんとかできたので工程を少し詳しく解説しようと思います。
手元の参考書はウイングローブ氏の「The Complete Car Modeller 1」です。
ルーバーの工作についての一節
読んだだけではなかなか理解できませんw
ウイングローブ氏はハンドプレスを改造して送りテーブルと組み合わせた専用のプレス機を使用しているようです。
色々と模索している中、 玉田氏(FBリンク) が相談に乗ってくださり、詳細なアドバイスとレクチャーを頂いて実現できました。
感謝の念に堪えません。 ありがとうございます!
さて、考えていても進まないので手を動かしてみます。
ボール盤があるので他に必要なのはパンチとダイ。
(ボール盤の代わりにルーター用の卓上スタンドでも代用できると思います。)
まずパンチはタガネを加工して作りました。
ハンズにはハイスと鉄製がありましたが、1本150円前後と安価で加工がしやすい鉄をチョイスしました。
先端をヤスリで必要な幅にし、横から見たときに約45度の∠字型になるように研ぎます。
持ち手側はチャックに安定して保持出来るように削って整えておきます。
少しハードル高いのはダイの方です。
フライスとアングルカッターがあれば加工できますが、生憎フライスを持っていないので今回は職権乱用 ズルをして調達しました。
素材は真鍮です。
理屈がわかったので試したところ、角線などを断面が45度の∠字になるよう加工すればOKそうです。
↓こんな感じです。
角線を板端にハンダで仮固定してヤスリで斜めに削り、カットしたものを数本並べたものでも抜けました。
ちなみに今回加工するアルミ(t=0.2)に対し、真鍮のダイでは摩耗して加工後は先端が潰れてきてバリが多くなります。 (失敗含めて300本くらいはスリット抜いたと思います)
相手素材によりますが鉄か少なくとも洋白以上の硬度の素材が良いようです。
素材にはあらかじめガイドラインを罫書いて準備完了です。
いよいよ抜き工程。
ボール盤にパンチとダイをセットします。
ダイは小さいので一回り大きい板に接着固定しています。
刃先間の隙間は精度の問題から0.05~0.08㎜程度に設定しました。
刃先のスキマは試し切りして感覚的に決めていますが、スキマが大きすぎるとバリが多く変形も著しいです。 逆に0-0だと抜けませんし、最悪せっかく作ったパンチやダイを痛めてしまいます。
あとはパンチ、ダイ、素材に切削油を塗ってプレス。
クレ556でも良いので油を塗らないと奇麗に数が抜けません。
抜ける瞬間には「コクッ」というか「プツ」のような感触がするのでわかります。 癖になります(笑
送りは次の溝に引っ掛けるようにしていますが、精度の良いXYテーブルがあればベターかも。
絵で描くとこんなイメージです↓
画像は初期の失敗作。
一か所刃がズレて穴が繋がってしまいました。
試行錯誤の結果、今回の形状では最初に両側面だけを曲げておき、天面は平面のままルーバープレスした後にR付けや形状を整える手順が良さそうです。
プレス加工が終わったら油を落としてスリットに残ったバリをナイフやタガネでさらい、ペーパーで切り口を整えます。
シャーシとのフィッティングを確認し、小傷を消しつつ全体にペーパーをかけます。
最終的にはボディ全体でもう一度ヤスリ目を合わせてバフ掛けする予定です。
手仕事でアルミ一体のルーバーができたのはうれしい限り。
薄い金属板のルーバーを抜く方法が確立できると工作の可能性が広がりますね。
静岡の時は曲げただけの形状でしたが、ケータハムBDRの特徴の一つであるボンネットルーバーは出来れば再現したかった部分です。 とはいえ、アルミ一体であるがゆえに工作は加工方法も含めてハードルも高く当初は半ばあきらめていたのですが、なんとかできたので工程を少し詳しく解説しようと思います。
手元の参考書はウイングローブ氏の「The Complete Car Modeller 1」です。
ルーバーの工作についての一節
読んだだけではなかなか理解できませんw
ウイングローブ氏はハンドプレスを改造して送りテーブルと組み合わせた専用のプレス機を使用しているようです。
色々と模索している中、 玉田氏(FBリンク) が相談に乗ってくださり、詳細なアドバイスとレクチャーを頂いて実現できました。
感謝の念に堪えません。 ありがとうございます!
さて、考えていても進まないので手を動かしてみます。
ボール盤があるので他に必要なのはパンチとダイ。
(ボール盤の代わりにルーター用の卓上スタンドでも代用できると思います。)
まずパンチはタガネを加工して作りました。
ハンズにはハイスと鉄製がありましたが、1本150円前後と安価で加工がしやすい鉄をチョイスしました。
先端をヤスリで必要な幅にし、横から見たときに約45度の∠字型になるように研ぎます。
持ち手側はチャックに安定して保持出来るように削って整えておきます。
少しハードル高いのはダイの方です。
フライスとアングルカッターがあれば加工できますが、生憎フライスを持っていないので今回は
素材は真鍮です。
理屈がわかったので試したところ、角線などを断面が45度の∠字になるよう加工すればOKそうです。
↓こんな感じです。
角線を板端にハンダで仮固定してヤスリで斜めに削り、カットしたものを数本並べたものでも抜けました。
ちなみに今回加工するアルミ(t=0.2)に対し、真鍮のダイでは摩耗して加工後は先端が潰れてきてバリが多くなります。 (失敗含めて300本くらいはスリット抜いたと思います)
相手素材によりますが鉄か少なくとも洋白以上の硬度の素材が良いようです。
素材にはあらかじめガイドラインを罫書いて準備完了です。
いよいよ抜き工程。
ボール盤にパンチとダイをセットします。
ダイは小さいので一回り大きい板に接着固定しています。
刃先間の隙間は精度の問題から0.05~0.08㎜程度に設定しました。
刃先のスキマは試し切りして感覚的に決めていますが、スキマが大きすぎるとバリが多く変形も著しいです。 逆に0-0だと抜けませんし、最悪せっかく作ったパンチやダイを痛めてしまいます。
あとはパンチ、ダイ、素材に切削油を塗ってプレス。
クレ556でも良いので油を塗らないと奇麗に数が抜けません。
抜ける瞬間には「コクッ」というか「プツ」のような感触がするのでわかります。 癖になります(笑
送りは次の溝に引っ掛けるようにしていますが、精度の良いXYテーブルがあればベターかも。
絵で描くとこんなイメージです↓
画像は初期の失敗作。
一か所刃がズレて穴が繋がってしまいました。
試行錯誤の結果、今回の形状では最初に両側面だけを曲げておき、天面は平面のままルーバープレスした後にR付けや形状を整える手順が良さそうです。
プレス加工が終わったら油を落としてスリットに残ったバリをナイフやタガネでさらい、ペーパーで切り口を整えます。
シャーシとのフィッティングを確認し、小傷を消しつつ全体にペーパーをかけます。
最終的にはボディ全体でもう一度ヤスリ目を合わせてバフ掛けする予定です。
手仕事でアルミ一体のルーバーができたのはうれしい限り。
薄い金属板のルーバーを抜く方法が確立できると工作の可能性が広がりますね。
2019-06-18 15:19
nice!(0)
コメント(4)
作業工程を詳しく説明いただきありがとうございます。
工具、工作機械が欲しくなりました。
プロクソンのドリルスタンド悩んで買ってないんです。
あればこれからの作業も変わってきますかね。
考えよう。
これからも楽しみにしています。
by kamasa (2019-06-18 18:38)
kamasaさん
コメントありがとうございます。
うまく伝われば良いのですが、改めて文章で表現するのも中々難しいものです。
工作機は当然手作業より格段に出来ることが増えるとは思います。ワタシもプロクソンのXYテーブル購入を検討しましたが今回は見送ってしまいました。
可能であれば店頭などで実機を見て、出来れば試して判断されると良いと思います。
一つ言えるのは精度の高い工作機は高いです!(笑
by Ohtoro (2019-06-18 21:59)
「Ohtoroさん!もう!」この一言だけです(笑)
by こいで (2019-06-24 07:28)
こいでさん
コメントありがとうございます。
年の初め頃見た衝撃をカタチだけでも真似することができたのがうれしいです。検討課題は山盛りですがはじめの一歩です!
by Ohtoro (2019-06-24 08:38)